遺言書に「貯金は兄妹で半分、家は介護をした妹に」と

遺産相続トラブルの事例
遺言書に「貯金は兄妹で半分、家は介護をした妹に」と

貯金は兄妹で半分、家は介護をした妹に

最近多いのが、次のような遺産相続トラブルです。

兄A男さんと妹のB子さんがいるお父さんが、とうとう介護が必要になってしまいました。

お父さんは実家で一人暮らし。

B子さんは、お父さんのことが心配で、足繁く実家に通って身の回りの世話をしていました。

しかし、兄のA男さんは実家に全く来ず、父の介護は妹のB子さんにおまかせ。

そして、とうとうお父さんが亡くなってしまいました。

その後、お父さんが生前に遺言書を書いていたことが判明。

遺言書には次のように書いてありました。

・預貯金はA男とB子に半分ずつ相続させる。
・自宅はB子に相続させる。

この遺言書の内容を知った兄A男は「自宅は俺のものだ!!」と激怒。

なぜなら、自宅の資産価値は5000万円ほども。これを全て妹に取られてしまうことに納得がいかない兄A男さん。

兄のA男さんは長男だったので、「家は自分が継げるだろう」と疑いをもっていませんでした。

妹のB子さんも、まさか父親が遺言書を残しているとは思わず、さらに自宅を自分一人で相続するという内容にビックリ。

それでも、「父の介護をしてきたのは自分。兄は何一つ手伝ってくれなかった。いまさら、自分は長男だからと言われても・・・」こんな思いが妹B子さんにはありました。

しかし、この後、兄のA男さんと妹のB子さんは関係が疎遠に・・・

以前は、一緒に食事をしたり、旅行に行った仲だったのに、今は必要最低限の連絡しかとらない仲になってしまいました。


このようなケースは、昨今、非常に増えています。

たいていの一般家庭では、家はあるけど貯金は少ないというケースが多いです。

そして、親が残した自宅(家)は何かとトラブルの元になります。

まず、自宅(家)はお金のようにきれいに半分に分けることができません。半分に分けるには、まず売って現金に変える必要があります。

しかし、家は売りたくても売れないことが多いのです。

誰かが住んでいたら「明け渡して下さい」とはなかなか言えませんし、出て行きたくない人が多いので、不動産はトラブルの要因になることが多いのです。

そして、自宅を相続すると税金もかかります。

しかし、それでも自宅(家)を相続したがる人が多いというのが現状です。

このような自宅をめぐる遺産相続のトラブルを防ぐには、父の生前からしっかりと話し合って決めておくことが重要です。

今回のようなケースでも、父が生前に兄のA男に話して、納得してもらい了解をもらったところで遺言にしておけば、争う余地がありません。

兄弟姉妹といった親族同士が相続のことで争って家庭裁判所で調停ということになると、疎遠どころではなく、全く連絡もとらなくなり、絶縁状態になることもあります。

こうなると、その次の代も、孫も代も関係がうまくいかなくなる可能性があります。

だからこそ、生前から話し合って、お互いが了解しておくことが重要なのです。